女性の身体性を意識し、ケアすることで、パフォーマンスを上げていく。| プロウルトラトレイルランナー 宮﨑喜美乃

2023.10.03

陸上を始めたのは小学生のころ。中学・高校時代は長距離走の選手としてハードなトレーニングの日々を送り、大学時代に専攻した登山の運動生理学をきっかけに山の世界へ。25歳で本格的なトレイルランナーとしてのキャリアをスタートさせたという宮﨑喜美乃さん。スポーツアスリートとして歩んできた道は、同時に女性としての身体が大きく変化していく時期でもあり、自ずとゆらぎの大きな女性の身体性と深く向き合うようにもなった。現在、100マイル(160km)以上の超長距離を走破する「ウルトラトレイルランニング」の国際大会に精力的に出場している宮﨑さんが、さまざまなシーンで愛用しているというrounのアイテムについて、その活用法を伺いました。
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ハードなレースのあとに
使ったのがはじまり
―「ウルトラトレイルランニング」は、フルマラソン4回分以上に相当するという超長距離を、ほとんど寝ずに夜を徹して走るというレース。この数年では国際大会にも頻繁に出場されていますね。
もともとは50マイルを中心としたレースに出ていたんですが、2018年に100マイルへ切り替えて、2019年にオマーンで開催された国際大会に出場(3位入賞)して以降、ここ数年は2~3カ月に1回のペースで海外のレースに出場しています。
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―身体を極限まで酷使するスポーツであることに加えて、日本とは違う慣れない環境でのレースとなると、心身のメンテナンスがかなり重要なのではないですか?
レースに向けた身体づくりだけではなく、レースの日程に標準を合わせた月経の調整や時差ボケもあるので、日々のメンテナンスと現地入りしてからのメンテナンス、両方のことを考えなくてはいけない。大学生の頃に登山の運動生理学を学んだこともあって、自分の心身の状態を毎日記録に残すようにしているんです。積み上げてきた自分のデータを客観的に眺めながら、「こういう状態の時に、これを試したらよかった」「それならこれを試してみよう」というように、内省する“ひとり会議の時間”を意識的に取るようにしていて。自分のことをどれだけ理解しているかというのが大きく影響するスポーツですから。
―そうしたひとり会議の時間をもとに、ケアにまつわるさまざまなモノ・コトを試してこられたと思いますが、CBDはどんなきっかけから使うようになったのでしょうか?
マネージャーから「海外のトレイルランナーたちは、身体のケアにCBDを使い始めているらしい」と〈roun〉を薦められて、レース後にスポーツバームを使ってみたら、驚くほど効果があったんです。毎回、レースのあとは寝返りも打てないくらいの全身筋肉痛で、翌日も起き上がれない状態になってしまうのに、そのときは翌日には歩けるようになって。
海外のCBDアイテムは、日本では非合法とされるTHCという同じヘンプから抽出される成分が微量含まれているものがあるそうで、その理由はTHCがCBDの効果をより引き出してくれるからだそう。でも、THCはたとえ合法の国で使用したとしても、スポーツにおけるドーピングの国際規定では禁止されているんですよね。もちろん〈roun〉は日本製なのでTHCは含まれていないのですが、CBDの含有量がたっぷりなのと、CBDとの相乗効果が高いさまざまな植物由来成分が配合されているんだそうです。これはすごいと思って、いろんな場面でrounのシリーズを試すようになりました。
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生理痛やPMS、
さまざまな女性の不調に
―いろんなシーンで試してみて、ほかにはどんな使い方がよかったですか?
人によって効果の体感度合いはそれぞれだと思うんですが、私は婦人科系の不調に効果を感じています。生理痛の重い感じはドロップオイル、腰痛やお腹のハリにはバームを塗り込むと、一気に楽になりますね。
さかのぼると、中学から高校にかけてかなりハードにトレーニングをしたことで、高校の3年間、生理が止まってしまったんです。それ以来、生理不順のためにピルを服用し、生理痛、PMSとも付き合い続けることになりました。
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でも、ピルを飲み続けているうちに、ピルではこうした不調の根本解決にはならないのかもしれないと気づいて、食事療法や骨盤内転筋を鍛えたりなど、長期的に身体を変えていくことを意識するようになりました。
―女性アスリートは特に、月経と向き合い続けなければならないんですね。
そうですね。でも、アスリートに限らず、女性が社会で活躍していくためには、誰にとっても大事なことだと思います。歴史的にみても、社会進出する女性が増えるのと並行して、PMSで悩む人も増えてきたというデータもありますから。

私もいろいろと試してきた結果、1年前に子宮セラピーと出合い、定期的に生理が来るようになりました。ようやくピルを飲まない選択肢ができたのですが、レースの予定と生理予定日が被ったときには、調整する方法がピルしかないので、必要なときだけ服用していて。ピルは10年前と比べて日本でも肯定的に捉えられるようになったし種類も増えているけれど、一時的に周期を変えるためのピルは強めに作用する中容量なので、その分、イライラなどのPMS症状が強く出るんです。そんなときにもCBDのドロップオイルが、メンタルを落ち着かせてくれたりなど、助けになってくれています。
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女性は特に、身体を安定させることよりも、ゆらぎがあることに意識を向けたほうがいいのではないかなと思うんです。本来の身体が求めているゆらぎ方と、今のゆらぎ方が違うから、不調を起こすんじゃないかと思っていて、それをリンクさせるために、自分に合ったCBDの活用方法を見つけるのがいいのではないかなと思います。
―以前から、将来的には女性アスリートのトレーナーになりたいとお話されていましたね。
女性の身体性を意識しケアすることで、いかにパフォーマンスを上げていくか。女性アスリートのトレーニング方法は、まだまだ発展途上なんです。なので、自分の経験からも、いずれはトレーナーになれたらいいなと思っています。でも、その前にある大きな目標は、ウルトラトレイルランニングで世界一になること。毎年フランスで開催される「UTMB」という一番名誉ある国際大会での優勝を目指しています。
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  • Profile

    宮﨑 喜美乃 / Kimino Miyazaki

    プロウルトラトレイルランナー、低酸素レーナー。小学生で陸上をはじめ、大学では登山の運動生理学を専攻。プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎が代表を務める〈ミウラ・ドルフィンズ〉の低酸素トレーナーとして登山者に向けた高山病予防のための低酸素トレーニング指導を行いながら、自ら実践データを収集・分析し世界の100マイルレースの頂点を目指す。受賞歴に、「Istria 100 by UTMB」(2023)優勝、「Tarawara Ultra Marathon by UTMB」(2023)準優勝など多数。

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