“走る”とは、前だけを向いて進むこと|RUN-WALK Style オーナー 三浦佐知子
  • Interview : Yuriko Kobayashi
  • Photographs : Satoko Imazu

2024.09.02

大阪城近くに店を構えるランニングショップ〈RUN-WALK Style〉。ロードランナーやトレイルランナーに愛され、今年で創業19年を迎える。オーナーの三浦佐知子さんは国内外のトレイルランニングやマラソンレースに参戦する現役ランナー。創業者である夫をトレイルランニング中の不慮の事故で亡くして以来、大阪と名古屋、2つの店舗を守り、進化させてきた。夫が何より大切にしてきた「走ることを楽しむ」という考え方は、店のコンセプトであると同時に、佐知子さんの生きる指針でもある。「苦しい場面でも前を向いて進む、そうすれば素敵なことに出会える」。そんな彼女のポジティブさを支えるもののひとつがrounのプロダクトだ。
ランウォークスタイルのオーナー三浦佐知子さん
―「走ることが楽しくなる商店」というお店のキャッチコピーがとても素敵ですね。どういう思いから生まれたのでしょうか?
三浦 : もともとは夫がつけたものなのですが、“走る”って、どうしても“しんどい”っていうイメージがあるじゃないですか。まあ実際、しんどいんですけど(笑)。だからこそ、それが少しでも楽しくなるようなアイテムやアイデアを発信していけたらいいなと。走っている最中はもちろん、練習する気持ちが上がったり、走った後の喜びをより強く感じられたりできたら、走ることをもっと好きになってもらえるんじゃないかなと思っています。SNSで自分が参加した大会の様子をレポートしたり、お客様と一緒に地元で走るイベントを開催したり、モノを売るという方法以外でも、ランの楽しさを共有できたらと日々工夫しています。
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―今や100マイルレースも完走してしまう佐知子さんですが、ランを始めたきっかけはどんなことだったのですか?
三浦 : 14年ほど前にランニングを始めたのですが、きっかけはひどい肩こりに悩まされたことでした。当時は福祉関係の相談員として働いていて、ほぼテスクワークということで運動不足で……。様々な事情を抱えた方の人生に深く関わる仕事ということもあって、日々肩に力が入っていたのかもしれません。まずはウォーキングから始めたのですが、だんだん物足りなくなってきて、少しずつランニングをするようになりました。最初は家の周りを3km程度走るのも必死という感じでしたが、何かに打ち込むということをやってみたいなと思っていた時期でもあったので、粘り強く続けられました。
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―走ることが楽しい!と思えるようになった時のことを覚えていますか?
三浦 :ランニングを始めてしばらく経った頃、地元のハーフマラソン大会にエントリーしたんです。山間を走るアップダウンの激しいコースで、すごく苦しかったのですが、同じくらい楽しいと思えたことを覚えています。それってどうしてかなと思い返すと、大会で走っていると、沿道にいる方々からすごく熱い応援の声をかけてもらえるんです。見ず知らずの人がゼッケンの名前を見て、「三浦さん、頑張れ〜!」って。普段生活していて、あれほどわかりやすく、全力で応援してもらえることってないので、すごく嬉しかったし、楽しい気持ちが湧き上がってきて。普段走っている時は、自然を感じられる瞬間が好きですね。お店のある大阪城周辺は都会ですけど緑が多くて、季節も感じられます。余計なことを考えずに、気持ちのいい風景や風を感じながら走ると、邪念が消えて、すっきりするんです。
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―ランニングが縁でご結婚されてからは、夫の誠司さんと一緒に海外のレースに参戦するなど、また新しいランの魅力に開眼されたとか。
三浦 :結婚して数年後、夫からいきなり「ヨーロッパを7日間走るステージレースに出るぞ!」と言われて、ペアで出場することになって。低い場所でも標高1500mくらいの高地を走り続けるレースで、山を越えても、越えても、ピークが見えない(笑)。1日走り終わると無言で寝るみたいな感じだったんですけど、朝を迎えると不思議とまた新たな気持ちで頑張ろう、楽しもうって思えたんです。走ることって前にしか進まなくて、決して後ろを向かない。立ち止まっても、しょげていても、絶対また前に進むんだな、それってすごくいい循環だなって思って。その気持ちは今も変わらず持っていて、走ることの大きな魅力だと感じています。
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―誠司さんが不慮の事故で亡くなった後、店を引き継いでやっていくのは大変なご苦労があったと思います。何が支えになったと感じますか?
三浦 :手前味噌で恥ずかしいのですが、自分で自分を一番褒めてあげたいなと思うのは、お店を辞めるという気持ちを今日まで一度も持たなかったことなんです。取引先の方やお客様、友人、たくさんの方々の手助けや後押しがあって、本当にもうそれは「前に進むしかない!」くらいのパワーで。まさに走るという行為と同じで、決して後ろを向かずに、前だけ見て進んできました。そんなふうにやってこられたのは、走ることを続けてきたからかもしれないなと、今は思います。
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いいバランスを保って、
健やかに生きる
―rounを使い始めたきっかけを教えてください。
三浦 :一番愛用しているのはスポーツバームです。二年ほど前にトレイルランナーの宮﨑喜美乃さんから「筋肉痛にいいよ」と勧めてもらったのですが、100マイルレースに出た後のケアに使ったら、疲れが軽減されたような気がして、「これは、いい!」と。レース前のハードな練習の後にも欠かせません。
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―毎日のセルフケアで愛用されているアイテムはありますか?
三浦 : CBDコンディショニングローションは毎日の化粧水として使っています。ベルガモットやローズマリーの爽やかな香りが好きで、日焼け後の炎症もすーっと静まっていくような感覚があります。日焼け止めも気に入っていて、とにかく伸びがいいんです。紫外線吸収剤を使っていない日焼け止めは、肌にいいとわかっていても、塗り心地が悪かったり、白浮きしたりするものが多くて困っていたのですが、rounのサンプロテクトがその悩みを解消してくれました。
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―ランナーにとって日焼けは避けて通れない悩みですものね。
三浦 :赤いパッケージのマッサージオイルも日々のケアの必需品です。日焼けした後の乾燥した肌を潤してくれると同時に、マッサージもできる。スキンケアをしながら体をほぐし、労われるので、ランナーにとっては本当にありがたいアイテムです。走ることも、生きることも、すべては“いいバランス”を保つことが私にとっては大切なこと。しんどくても、楽しむ。それもいいバランスがあってこそ。日々の心と体のケアも、自分なりのいいバランスを見つけていけたらいいなと思っています。
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  • Profile

    三浦 佐知子/ Sachiko Miura

    大阪と名古屋に店舗を構えるランニングショップ〈RUN-WALK Style〉を営む。2020年に創業者で夫の三浦誠司さんが亡くなった後は、経営を引き継ぎ、オーナーに。自身も現役ランナーとして国内外のレースに出場し、2022年には「BAMBI100」(奈良県)で初100マイルレースを完走。フルマラソンの国際レース出場資格(3時間7分以内)も持つ。

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